第1話 〜 ミサト、決壊!(後編)
作 / Sa−toshi ・ 画 / 森里 涼


 訓練レポートに目を通し、個々の評価に対する感想を書き終えたシンジがNERV本部から地上に出た時、既に街は街灯に彩られた夕闇暮れる光景に変わっていた。管制室で残り仕事を片付けていた技術局員の伊吹マヤにレポートの束を返す時、ミサトが先に退所したことを知った彼の足取りは重かった。状況的には先日の訓練の不調の時と似てはいるが、事の内容が全く違う。常識と非常識。

「ボクがこんなものを盗ってたなんて、ミサトさんが知ったら…」

 シンジは片手をズボンのポケットの中に突っ込むと丸めて押し込まれた、脱衣ケースから失敬した葛城ミサトの下着を握りしめる。しかしシルク特有の滑らかな感触が、後悔の念に責められている彼の脳裏に夜明け前の出来事で覚えた刺激的な感覚を蘇らせる。下腹部の分身がゆっくりと身をもたげ出してズボンを押し上げ、シンジの歩行の邪魔をした。

「何考えてんだ、オレは!」

 俯き、前に屈んで歩くシンジは小声で自らをたしなめ、周囲の目を気にしながらズボンの中で目を覚ましかけたものをにらみ付けた。

「でも、もしかしたら飲んで帰って来るかもしれないし」

 日勤の日に定時退所したミサトが寄り道せずにマンションに戻ってくることは少ない。訓練後に帰宅したシンジが夕食を準備し終えるまでに彼女が帰宅したことが数える程も無かったことを彼は思い出した。きっと今日も仕事の後の一杯(一杯で終わる筈はないが)に喉を鳴らしているか、財布を苦しめる衝動買いの原因になっているウィンドショッピングに励んでいるに違いない。勝手な希望的観測に賭けて足取りを早めて、ミサトのマンションに向うシンジだったが…。

「シンジ君?私、帰ってるよ」

 呼び鈴を鳴らす勇気はなく、そっと玄関のドアにカギを差し込み開けようとするシンジの耳に、インターホンから聞こえたのはミサトの声だった。各々の自室にはセキュリティのためのモニター装置があって応答が出来るほか、玄関ドアの開閉をすればわかるようになっているのだ。思惑に外れたシンジは踵を返して逃げたくなったが今更逃げたところで解決する問題でもなく、彼は肩を落としながらホーっと息を吐くと下を向いたまま部屋に入りドアを閉める。もう正直に謝るしかないと意を決したシンジは、自室に鞄を置くとズボンのポケットに入っているものを取り出し、右手に握り締めた。

「…ミサトさん」

 彼女は自室のデスクチェアに腰掛けて机に向っていた。仕事をしていたらしく、机には新たに書類や資料が山を築いている。その足元にはシンジが来る前から飼われている温泉ペンギンが座布団に座って茶をすすっており、クィィっという独特の鳴き声でシンジの方を見た。彼は俯いたままミサトの部屋の戸口に立って消え入りそうな声で口を開いた。だが声が小さかったため、ミサトが反応するまでにはやや間があった。

「ん?あ、シンちゃん、食事なら適当に即席モンで済ませちゃったから」
「…」

 ミサトは机に向ったままで返事を返した。だが、戸口に立つシンジが立ち去る気配がなかったので、カタカタと叩いていたハンディターミナルのキーボードの手を休めると、クルリとデスクチェアを回してシンジの方に向き直った。うな垂れて真下を向いたまま直立不動で固まっているシンジが彼女の目に映る。

「シンジ君、どうしちゃったの?」
「あの…」

 ミサトにはシンジの態度を不審がるような感じは全くない。穏やかな口調で声を掛けられたシンジは、ますます言葉を続けにくくなって小刻みに震えながら2、3歩前に歩み出るとガックリ膝をついて前に崩れた。

「ごめんなさい」
「へ?」

 やっと言葉を絞り出したシンジのただならぬ様子に、キョトンとしたミサトは目をしばたかせた。

「これ…」

 シンジが俯いたまま握り締めた右手に丸められたものをミサトの前に差し出す。

「ほんと、何なのよシンちゃんたらァ…あっ!?」

 彼女は最初、差し出された物の意味がわからずに苦笑いしながら椅子から腰を上げて手を伸ばした。しかしそれを手に取った瞬間、彼女はそれが何であるかを理解しあわてて後ろ手に隠した。

「やだぁ!もぅ、どこに落ちてたのコレ」
「…」
「どうりで1枚足りないんじゃないかなって思ったのよ、最近疲れてるから忘れっぽいし、ホント年は取りたくないわねェ、オマケに酒には弱くなるし、昨日も何かビール1本で酔いが回っちゃってぇ、洗濯したら無いじゃない?ひょっとして履いてなかったのかなァ何て思ったりなんかしちゃってェ…え?」

 シンジが差し出した布キレで昨夜の恥ずかしい自分を思い出してしまったミサトは照れ隠しにハイトーンな口調でペラペラとまくし立てた。が、眼前のシンジは身を硬くしたまま動かない。その場の不穏な雰囲気を察したのか、傍らの温泉ペンギンはクゥゥとうなりながら部屋を出て行く。ミサトはようやく彼の謝罪の言葉の意味に気付いて羞恥と嫌悪の入り混じった複雑な心境に言葉を失した。

「本当に、ごめんなさい…つい変な気持ちに…」

 震える小声でやっと言葉をつなぎながら、蒼く慄いた表情でゆっくりとミサトを見上げるシンジ。シャワーを浴びた後なのかウェーブの効いた艶やかな青黒い髪を後にアップし、半袖のオレンジ色のサマーニットにハイカットに両裾を切り落とした綻びの目立つ色褪せたインディゴのデニムパンツというさっぱりとしたいでたちのミサトの姿が後悔と羞恥で涙を浮かべているシンジの目に揺らぎながら映る。

「そ、そういう事なの?…」

 自分の恥ずかしい行為を隠れて欲求のハケ口にされた。想像するのもおぞましいような行為に、よりにもよって同居の少年が及んだという事実。顔色を失った後、恥ずかしさと怒りで一気に顔面を紅潮させながら後ろに回していた腕を握り締めると、ミサトは怒号と共にシンジを蹴倒す。彼の体は仰向けに起こされて部屋の隅に転がった。

「イヤらしいっ!あんたっ、最低よっ!」

 ミサトはなおも、脅えた表情で半開きの唇を震わせているシンジの前髪を掴んで顔を上向きにすると続けざまに左右の頬をパパンと平手で張る。彼は抵抗出来ないまま唇の端に血を滲ませ、ヒクヒクと涙をためながらシャクり上げていた。

■■■

 蹴倒され平手を張られたシンジは、後悔と痛みで半ベソをかきながらミサトを見上げた。彼女は目の前で仁王立ちのまま上体を屈めて彼の前髪を掴み上げて自分を睨んでいる。間近に見るその素足は肉付き良く適度に鍛えられ、視線をゆっくりと上げればハイカットのデニムパンツは充実した腰回りをピッタリと包んでいる。臍のあたりが伺えそうなニットシャツに押し上げられたふくらみはブラに押えられながらも、前屈みになった彼女の上体から程良いボリュームで下を向いているのがVネックの胸元から谷間を通して見える。そして今まで見慣れているはずの年上の女性の、今までにない心底怒りに歪んだ生々しさを持つ表情が彼の鼻の先にあった。怒りで真っ赤になったその表情と開いた胸元からかすかに匂う化粧石鹸の香りが、より大きな存在感となって彼に迫る。それがシンジの脳裏に昨夜のミサトを蘇らせた。

「ミサト…さん」
「汚らわしいっ!」

 何かを言わなくてはと、彼女の名を口にした途端にさげすむようにぶつけられるミサトの言葉は、しかし生々しい響きとなってシンジの心を揺さぶる。懺悔の念に暮れていた筈の彼の心は、彼女の下着によって触発されたあの強い衝動にみるみる侵蝕されていく。それに呼応するようにシンジの分身はズボンの中で熱く息付く。彼の中で衝動は沸き上がる積乱雲のように発達し、それは度重なるの激しい叱責でミサトに捨てられてしまうという諦念の気持ちと相まって彼を突き動かす。

「ウァァッ!」

 突然シンジは絶叫と共にミサトに飛び掛かった。意表をつく彼の行動にミサトは咄嗟に反応出来ず、両方の上腕を掴まれると体重を預けられたままに机の横のベッドの上に押し倒される。シンジはなおも泣き叫びながらミサトの胸に頭をグリグリと練り付け、ホフク前進のように腰から下を彼女の下半身に擦り寄せる。驚きで抵抗することを一瞬忘れていたミサトはニットシャツが胸元近くまで捲れ上り、ブラのカップに押えられた胸のふくらみが半ばあらわになっていることに気付き、我に返って彼の両手首を取ると押さえ付けた。軍隊並みの実戦訓練課程を経験済みの彼女は、素早くクルリと体を反転させて逆にシンジを仰向けに組み敷く。

「シンジ君!」

 大声で一喝するとシンジはピタリと暴れることを止めた。顔を腫らし涙でクシャクシャになった14歳のひ弱な少年がそこにいる。彼の瞳に自分の感情ムキ出しの険しい表情が映った時、複雑な事情を抱えたそんな少年に何もかも自分の理屈を押し付けて行動していなかったかを自問自答するミサト。今度の忌まわしい行為にしても、その原因は思春期の少年とひとつ屋根の下に暮していることを認識してきちんと対応しなかった、だらしのない自分が悪いのではなかったか。

「ごめんねシンジ君、本当にイケなかったのは私だわ…」

 シンジの瞳を見つめる彼女の表情に穏やかな優しさが戻り、その心から屈辱と怒りは消えていた。その時、ミサトは尻の下に組み敷いた彼の下腹部が硬直して突き上げているのを感じた。先刻の彼女ならば間髪入れずに彼を叩きのめしていたに違いない。でも、今のミサトは周囲に翻弄される哀れな少年を哀れみ、愛しいとすら感じている。研究一途で家庭を省みなかった実の父に泣かされた母と幼少時代の、触れ合いに餓えていた自分。挙げ句にセカンドインパクトに巻き込まれて自分ひとりを残して南極大陸に散った自分勝手な父は、本当に母や自分を愛していたのだろうか。眼下の少年の境遇に自分を重ねた時、ミサトはシンジを力一杯抱きしめるとゆっくりと唇を合わせた。長く静かなキスの後、彼女はかすかに微笑みながらシンジのワイシャツのボタンをひとつひとつ外していく。Tシャツを捲り上げてアバラの浮いた貧しい上体に柔らかくポッテリと湿った唇を這わせる。小さな乳首を前歯で甘く挟むと、シンジは吐息と共に小さなうめきを上げた。更にミサトの唇はアバラを横に滑り、捲り上げたTシャツの脇の中に鼻先を埋める。わずかな汗の臭いと男臭さが彼女の行動をより大胆にさせた。ミサトは上体を少し上げると体を下方に移動する。ズボンのベルトのバックルを外しながら、優しさと少年の好奇心を伺うような目でシンジを見上げる。

「…」

 微笑みながら彼女は何かを小声で口にしたようだったが、放心状態のシンジには聞こえない。微動だにせず、成すがままに体を任せているシンジ。着衣を押し上げて小山を作っていた彼の分身はズボンとブリーフが尻の下まで引き降ろされると、勢い良く跳ね起きてミサトの眼前にそそり立つ。暖かな指先がそれをゆっくりと支持して露をたたえた先端が包皮から剥き出されると、分身の感受した初めての感覚にシンジの腰が少し沈み両足に力が入る。彼が強く短くうめいてシーツを掴むとミサトの手の動きが止まった。

「あの、ちょっ…」

 シンジは昨夜初めて経験した背筋を走る放出感の前兆に戸惑い、ミサトの行為を制止しなくてはと小声を震わせた。このままでは彼女の目の前で、その手の中で…。

「あっ!」

 その瞳がシンジをじっと見つめたまま、分身がミサトの口に含まれる。包皮の下を舌で前後に刺激されながら口腔の中で唾液に潤される硬直したシンジの分身。1度根元まで含まれたそれは、亀頭冠のあたりまで引き出されて軽く歯を当てられる。彼女の喘ぎとも吐息ともつかぬ鼻歌のような声が分身を圧迫する度に聞こえると、シンジは堪えられなくなった。

「オオッ!」

 ビクッと腰が沈み両足が突っ張られる。苦悶するような表情と共に大きくうめいたシンジの脳裏にスパークが走り、昨晩より強い電撃が脊椎を駆け上がる。分身は2度3度と打ち震えてミサトの口腔の奥に力強く男精を撃ち出した。

■■■

 シンジを口で清めたミサトは、そこに軽くキスをすると彼を離して部屋を出た。ミサトのベットの上でしばらく呆けていたシンジだったが部屋の中にこもった空気の微妙な匂いとシーツの温もりが、彼の体の中に今までにない大きな存在を感じさせていた。今日まで周囲から邪魔に思われないようにひたすら主張や行動を避けるため下品で野卑だと戒めていたもうひとりの自分。それは例えば初対面の時に車の助手席でミニスカートから露出するミサトの肉感的なふとももを横目で盗み見る自分であり、転校先の中学で親身に世話を焼いてくれるクラス委員・洞木ヒカリの体操服のブルマの滑らかな尻のカーブを気付かれないように目で追う自分であり、NERV本部での激しい搭乗訓練後に間近に見た零号機搭乗者の少女・綾波レイの汗を吸ったプラグスーツ越しに見た微妙な体の凹凸に内心惹かれる自分だった。心の中のもうひとり自分が問い掛ける。

「気持ちよかっただろう?」

 途端に彼の分身はミサトの愛撫を思い出して再び硬くなり始める。あぁ、14年間生きて来て無駄じゃなかったと心底感じている心の中の自分が叫ぶ。もっと自分らしく生きたい、もっと気持ち良くなりたい…。

「シンジ君…寝ちゃったの?」

 戻って来たミサトは、ブリーフ1枚で膝を丸めるようにしてタオルケットにくるまって目を閉じているシンジに声を掛けながら、机の上の照明を消して部屋の照明を常夜灯に切り替える。薄暗いオレンジの照明の下で、ミサトは服を脱ぐと下着のままでシンジの隣に体を寄せた。

「ありがとう、ミサトさん」
「今日は大サービスだね」

 照れ臭いのか背を向けたまま小声でいうシンジの背中にピッタリと添い寝をするミサト。宵の口ながら遮音効果もあって外からの音は殆ど聞こえない静かな空間。彼女の体から放たれる体温と呼吸の音がシンジの衝動を膨らませていく。

「ミサトさん…」
「なぁに?」

 ひとつの寝具の中でシンジは体を反転させるとミサトと間近に向き合った。子供をあやすような声で彼女が見つめたシンジの視線は、据わったように鋭く彼女の瞳を捉えている。

「…欲しい」

 シンジはそう呟いてひと呼吸置くとタオルケットの中に身を潜らせてミサトの腰に両手を回し、内股の間に頭を埋めると下着の上から彼女の下腹部に顔を付けた。

「ちょ、ちょっと…もう、ヤァねぇ」

 悪戯好きな弟とジャレているような楽しさを感じながらモジモジとタオルケットの中で体をよじり、両手で彼の肩を掴んで押し止めようとするミサト。しかし、ピッタリとパンティの前面に顔を埋めたシンジが2度3度と深く呼吸をする度に、熱い息が布地を通して彼女の恥丘から谷間に蒸し掛かる。彼の体が寝具の中に隠れてミサトから見えないことが一層彼女の心の中に怪しい期待感を持たせる。布地越しにミサトの柔らかく温かい恥丘の感触を鼻柱や唇で堪能するシンジの脳裏はそこから沸き立つ彼女の体臭に感応して、彼を積極的につき動かし始める。シンジはタオルケットの暗闇の中で白く浮き出す布地の上から谷間に唇を押し付けると唾液で湿った舌で丹念にそこを舐めてみる。布地に唾液が染み込むと下の肌の感触が唇に一層リアルに伝わってきた。

「あん、もォ、この子ったら…」

 それはミサトにもより甘い刺激を味あわせる行為だった。下着越しのもどかしい愛撫に焦らされて、彼女の体は内側から熱くなり、谷間の中では淡い間接的な刺激に焦れた若芽が膨らみ出す。やがて満ちた泉がこぼれ出すようにそこが潤んで、今にもシンジの唇や舌の動きに淫らな音を発するのではないかという焦りが彼女の羞恥心を呼び覚ます。

「ね、シンジ君、もうやめて」

 せつない声色になりそうになるのを我慢しながら優しくシンジを諭そうとするミサトだが、それを見透かしたようにシンジはパンティの上からの口唇を使った愛撫に強さを加える。谷間の敏感な一点を捉えると舌先で圧力を加えてくる。ミサトの呼吸がやや荒く乱れ出したのを彼は聞き逃さなかった。ミサトはつい、小声を漏らしてしまう。

「うぅん…」

 シンジはタオルケットの中で彼女の股間から顔を離してモゾモゾと胸元に頭を上げた。頭髪が寝具から半分だけのぞきミサトの顎の下にかかる。サラサラとした彼の髪が彼女の鎖骨の辺りを掃くと動悸が早くなるのをミサトは感じた。自分の体が学生時代の、あの男と交わした熱病のようなひとときの再来を求めている。シンジの唇はブラのカップの縁を辿りながら両方のふくらみの間に走る古傷に触れる。彼女の運命を決めた南極で受けたその傷跡こそいままでの彼女の象徴だった。しかし彼の唇は、若さに任せた貪るような荒々しさではなく彼女の過去を癒すかのようにゆっくりと繊細に傷の上を上下に動く。ミサトのわがままを受け止めてくれたあの男の優しさが彼女の心に蘇った時、ミサトはシンジの頭を胸の中に強く抱きしめていた。

■■■

「あぁ、強く吸って!」

 ミサトは自らフロントのホックを外して張り詰めたふくらみを覆うカップを左右に開き、シンジの頭を抱き寄せて優しく頭髪を弄った。シンジは鍛えられた胸筋の上に充実感を湛えて盛り上がる2つの小山に頬をつけて両手で寄せながら、その頂上に硬く起立している左右の乳首を交互にブツブツとした乳輪まで口に含み、溢れる唾液と一緒にリズムを付けて吸った。彼の唇がその度に乳首を上下からキュッと強く挟むとミサトの心の中に我慢してきた愛する者への甘えと優しさが満ちる。その度に彼女はシンジの頭を抱きしめ、その髪をかき上げる。かすかな汗と香しい髪の匂いがミサトの気持ちを昂ぶらせる。

「うゥ、いい…」

 許しが出るのを待ちかねていたかのように、シンジの愛撫が激しくなった。左右の乳房を裾からコネるように掌で掴み、親指がクリクリと起立している先端をいたぶる。かと思えば母親の乳房をいとおしむように頬を擦り寄せて唇の先で吸い付ける。豊富な女性経験などあろうはずのない少年の無心な行為は、しかしミサトの体を熱くし、呼吸は乱れて下腹部の泉もドロドロに満ちてくる。

「はァァ…し、シンジ君」

 ミサトは思わず両腕でシンジの体を下半身の方に押し下げた。タオルケットが一緒にズレて下がり、彼女の体がふとももまで常夜灯の下に現れた。シンジは彼女の臍にキスをして、そのまま唇をパンティまで這わせて行く。

「ちょっと、待って…ね」

 ミサトは息を荒げながら、再び下着の上からの愛撫をしようとするシンジを止める。彼女は自分で上体を起こして腰を浮かせるとパンティを膝の上まで下げた。谷間の辺りが潤みで張り付いた恥丘の中央に密生したヘアがシンジの目の前に現れる。

「ミサトさん…?」

 薄暗いオレンジの灯りの下でシンジの目が彼女の表情を伺っている。ミサトは両肘をついて上体を起こしたまま、ゴクリと喉を鳴らしてゆっくり頷く。シンジはすこし躊躇った後に舌の先で谷間をなぞり、やがて両手でそこを押し広げて溢れるものをすくい取るように顔を動かし始めた。より強い刺激が彼女の背骨を走り、全身が小刻みに震える。

「あゥゥゥっ!」

 尾を引くような激しい声でミサトは喘ぐ。両肘で支えられた彼女の上体はアーチを描き、顎が天井を向いた頭が左右に激しく振られると豊かな髪が派手に舞った。シンジの舌が敏感なポイントを突っ付き、深い所に差し入れられると、彼女は堪らず自ら汗の浮いたふくらみを掴んだり体を左右によじって乱れる。ひとり遊びでは得られない、そして年下の少年との不謹慎な背徳の快感が、彼女を頂上へと導いて行く。

「ハァ、待ってちょうだい…」

 よがり乱れる中でやっと言葉を口にしたミサトは、シンジから体を離すと膝のあたりに絡まっているパンティを脱ぎ捨て、すぐ手の届く机の引き出しの中を片手で探って軟膏のチューブのようなものを取り出した。そのまま四つん這いになっているシンジの下に体を入れた彼女は、彼のブリーフを引き下げる。

「脱いじゃっていいわ」

 シンジが足を交互にあげるとミサトはブリーフを抜き取り、既に充分に膨張して反り返っている彼の分身にチューブから出したジェルを掌で伸ばしてから両手でゆっくりと塗りたくる。

「女は何かと面倒なの、ついでだから覚えてね」
「ウ、うん」

 彼女の手の動きで刺激されたシンジは軽くうめきながら頷く。何が面倒なことなのかは、デートの経験すらないシンジでも何となくわかった。そのままミサトは両手でシンジを抱いて体を密着させる。

「キスして…」

 自らキスを求めたことのないシンジは一瞬困った顔でミサトを見つめる。ニコッと微笑んだ彼女はそのままシンジに唇を重ねる。唇の触れ合う湿った重い感触と鼻孔をくすぐる淡い化粧水の匂い。シンジは目を閉じてユラユラと波間を漂うような脳裏からの感覚に酔った。

「…いい?」

 唇を離したミサトが耳元で囁くと、彼女は自らシンジの体を内股の中に入れて彼の腰に手を回す。シンジはミサトの胸元に顔を寄せたまま体を預け、これから始まるフィナーレを予感して息を荒げる。彼の分身がミサトの下腹部からヘアの中を潜ってヌメった狭間にかかると、彼女はシンジの腰に回した手に力を掛けた。そして自分の腰をわずかに浮かせて狭間の下方から奥へと、彼の分身をゆっくりと突き沈める。

「ア、あはァァ…」

 すっかりそれが埋没すると、ミサトは長くうめきながらゆっくり息を吐いた。抱き合ったシンジから感じる鼓動に合わせてヒクヒクと動く温かいものが、彼女の満たされなかった心の隙間を塞いで行く。自分の鼓動と彼の鼓動が共鳴するように響いた時、子宮の中から狭間を伝って沸き出すような強い快感を覚えたミサトは、シンジを体の上にしっかりと抱いたままで両膝を立てて腰を前後に揺すり立てた。

「あっ!ん…あァァ!」
「ぐウゥッ!」

 程なくミサトは鋭い痛みにも似た絶頂感に打ち震えて頭の中が痺れるように白くなっていた。強く抱き止められたシンジは分身を絞め込む波動とミサトの激しい呼吸に我を忘れ、彼女の肩口に顔を埋めながら身をよじるようにして彼女の中に放った。その余韻でしばらくガタガタと全身の震えが止まらないシンジをしばらく包んだまま、ミサトは彼の頭を優しく撫でる。

「大丈夫、大丈夫だよシンジ君」
「う…うゥゥ」

 シンジは泣いていた。全身を暴走した言いようのない感覚と、幼くして死別した上に写真もない母を想起させるような肌身で感じた女性の優しさに放心していた。

「私たち2人ぼっちだもの、仲良くしようね」
「…」

 足元のタオルケットを手繰り寄せて首まで被ったミサトも声を震わせている。その暖かな腕の中に抱かれたまま、シンジは泣き疲れていつしか眠りに落ちていった。

■■■

「起きろっ!碇シンジっ」

 シンジは自室のベットの上で蹴りを食らって目が覚めた。既に外はすっかり明るくなり、居間のテレビからは朝のニュースショウのアナウンサーの声が聞こえる。ボーっとしたシンジはミニスカートも気にせず彼を蹴り込んだミサトを見て我に返る。彼女がすでに身支度をしているということは…。

「ち、遅刻するっ!」

 慌てて夏掛けの毛布を剥いでベッドを出るシンジ。

「レディの前でハシたないっ!」
「勝手に入ったのはミサトさんじゃないですかぁ!」

 下着姿のシンジをたしなめるミサトに、思わず手で隠しながら食ってかかるシンジ。傍目にはいつもと変わらぬ2人の新しい1日が始まった。

 


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